今回ご紹介するのは、東京都豊島区内の物件のUGS設置工事の事例になります。

UGSとは簡単に言うと、電力会社設備と需要場所の境界に設置する高圧用のブレーカーになります。

大量の電力(50kw以上)を消費する建物では、キュービクルを設置して高圧での受電契約をする事が一般的なんですが、
その際、電力会社からの電力はUGSの設置場所であるキャビネット⇒高圧ケーブル⇒キュービクルと経由して流れていきます。

このキャビネットとキュービクルを繋ぐ高圧ケーブルや、キュービクルに何らかの障害が発生した際に異常を感知して、電力を遮断出来るのがUGSになります。

UGS未設置で事故があった場合、近隣建物に過大な電気が流れる可能性があり、周辺地域の停電に繋がる場合もあります。

UGSを設置しておけば、このような波及事故が防げるという訳です。

UGSは新築のビルではほぼ標準設置されていますが、一昔前までは設置しないことが一般的でした。
今回の物件も30年ほど前に建てられたもので、UGSは設置されていませんでした。

詳しくご紹介していきます。


UGSの設置工事の際には、お客様の設備に対する電力供給を停止する必要があります。
場合によっては近隣施設の送電網にも影響してきますので、電力会社様との事前調整の上、停電作業をお願いする形になります。

今回の工事では、回路を開閉するディスコン(断路器,DS,ジスコン)を取り外し、同じ個所にUGSを設置するという流れになります。

本工事は仕様上、現地で性能試験を行う事が求められていたため、約1万Vの電圧を10分間掛ける絶縁耐圧試験やその他試験で動作に不備が無いかチェックしています。

箱状の機器が二つ並んでいますが、上の箱がSOG制御装置、下の箱がUGS本体になります。
SOG制御装置が地絡・短絡事故を検知するとUGSを作動させ、電流を遮断する仕組みになっています。

UGSを設置しない場合、周辺施設を巻き込んだ波及事故が起こる可能性があり、他者の設備を破壊したり地域の停電を起こしたりするリスクがあります。
そうなった場合には賠償責任が生まれ、その金額も膨大になるかと思います。

UGSに法律上の設置義務はありませんが、保安上・運用上は絶対に必要な設備です。

弊社ではUGSだけでなく、その他の高圧受電設備に関する工事についても請負可能です。
電気設備の新設・改修をご検討の際にはぜひご相談下さい。