今回ご紹介する事例は接地工事で、場所は東京消防庁本郷消防署駒込出張所になります。
接地工事は電気設備を使う側からすると、なじみの薄い工事の1つかもしれません。
ですが電気設備の安全な運用には欠かせない工事で、電気設備に漏電や事故があった際に、人や設備に過大な電気が流れ無いよう地面に逃がすための工事です。
接地工事は対象設備で使用する電圧等によって、次の様な4つの分類があります。
- A種接地工事 … 高圧または特別高圧の設備の為の接地工事
- B種接地工事 … 高圧と低圧を繋ぐ回路の変圧器の為の接地工事
- C種接地工事 … 300Vを超える低圧電気設備の接地工事
- D種接地工事 … 300V以下の低圧電気設備の接地工事
今回ご紹介の本郷消防署では施設の都合により新しく接地抵抗を取り直すことになり上記区分でいうD種接地工事を行いました。
接地工事では、まず電気の通り道となる接地極を地面に打ち込むのですが、建築物周辺がアスファルト地のため舗装面を斫り、地面を露出させます。
斫る箇所については埋設配管などの無い箇所を選定の上、慎重に作業します。
土の部分が露出したら、ハンマードリルで接地極を打ち込んでいきます。
接地極の打ち込みが終わったら基準値の範囲で数値が出ているか接地抵抗計で確認し、斫った箇所を埋め戻します。
その後、工事対象の分電盤まで配管をしていきます。
工事後、再度基準値の範囲の数値が出ているか、接地抵抗計で値を確認します。
結果は14Ω。今回のD種接地工事の既定抵抗値は100Ω以下なので、十分に基準を満たすことが出来ました。
今回施工した様に、きちんと接地が取れている電気設備であれば万が一どこかで漏電が発生した場合でも人やモノの損害を防ぐことが出来ます。
また設置時点では問題無かった接地抵抗値が、接地極のさびや土質の変化などの理由で経年劣化し、適切な状態でなくなってしまう事も多々あります。
そのため保安点検などで不具合が見つかった際には、出来るだけ早めの処置対策を検討されることをお勧めします。
弊社ではお問い合わせ・お見積り等、積極的に対応させて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。